■ミュンヘン München
『U・ボート』の撮影は、ミュンヘン郊外の
バヴァリアフィルムスタジオで行われました。映画用に建造された潜水艦の一部は、現在もこのスタジオに展示されていて、見学することができます。
このバヴァリアフィルムスタジオは、トラム(路面電車)の駅「Bavariafilmplatz」のすぐそばにあります。ミュンヘン中央駅からは、市電S1〜S8のどれかに乗って「Rosenheimerplatz」駅で降り、地上に出るとすぐにHマークのトラム乗り場があるので、25系統「Grünbald」方面行きに乗ります。「Rosenheimerplatz」から15個目、約20分ぐらいで「Bavariafilmplatz」に着きますが、各駅の標識も分かりにくく、車内アナウンスも控えめです。私の場合、トラムのボックス席で若いドイツ人学生に囲まれてしまったので、車内アナウンスも聞こえず、駅の名前も見えず、案の定乗り過ごしてしまいました…。
(ミュンヘンの交通連合MVVのサイトに、
とても詳しい路線図があります)
気を取り直して「Bavariafilmplatz」へ戻ったものの、今度はスタジオへの入り口も受付もわからず…。なので、ここから先のレポートは、「私もババリアフィルムスタジオへ!」と思っている方は、参考にしないほうが良いです。というか、参考にしてはダメです。
■バヴァリアフィルムスタジオ Bavaria Filmstadt
入り口が分からない…と言ったものの、足はすでに「Bavaria Filmstadt」と大きく掲げられた看板のある車両用の出入り口へ。脇から人が出入りしてましたが、どう見ても関係者用の出入り口です。入り口の管理人さんに聞こうと思ったら、奥に引っ込んだまま中々出てこない。というか、もうスタジオ内に入ってしまった私。(実際は、そこから左にまわって10分ぐらい歩くと、観光客用の入り口があるようです。)
この撮影所の見学は、ガイドが案内するツアーになっていると聞いていたので、受付を探すものの、一向にみつからず…そこからはもう、迷える日本人観光客です。迷っているうちに魚雷と若きペーターゼン監督を発見してしまいました。
そこら一帯は、撮影で使われたG7a魚雷(写真・上)と、全長11mの艦(写真・中)、そして、実物大の艦橋(写真・下)が雨風にさらされているDas
Bootエリア。艦のほかに、撮影時のオフショット写真や名場面などがパネル展示されています。以前U99さんから、97年頃のこのあたりの写真を頂いたのですが、その頃とはレイアウトが変わっているようでした。
11m艦は右舷側が展示されています。この艦は、魚雷発射シーンなどの海中撮影に使われていますが、遠隔操作できたほかに、中に人が乗って操縦されました。下士官室付近に覗き窓がついています。
そして、実物大の艦橋。ヴェルナーがはしゃぐ嵐のシーンや、ピルグリムが波にさらわれるシーンなどで使われています(と、思います…)。艦橋にはおなじみのノコギリ君。このノコギリ君は何度か描き直されているらしく、この時のノコギリ君は、あまりかわいくないです。艦橋へあがって記念撮影もできます。
次は、11m艦の奥に併設された艦内セットへ。ここは、見学ツアーに参加しなければ入れません。この間に紆余曲折があったのですが、
それは飛ばして。。。

艦内の見学は、機関室から入り、前部室から抜けるという流れですが、ここは映画に忠実に、前部室からご案内。
「片付けろ!八百屋じゃないぞ!」と兵曹長が怒鳴るここは、前部魚雷発射室。奥には魚雷発射管が4本。後日登場しますが、4番管(左下)の扉が外されていました。上のベッドがたたまれ、魚雷が2本引き出されている状態です。乗組員のベッドには、Kriegsmarineのロゴ入り毛布や救命具まで置かれていました。
続いて、乗組員用の洗面所。夢にまで見た(?)おしりマークもちゃんと光っておりました。内部には、なぜかブリーフが干してあります。そういえばこのトイレ、覗き窓がついているんですよね。トイレが空いているかどうか、普通にのぞかれるわけです。ま、おしりマークが光ったり消えたりするんでしょうけど。それなのに、映画ではアリオがドアのすきまから、先任の髭剃り模様をのぞいていました。
トイレの次は、士官室。最初に士官用のベッドが、上下2段で左右にあります。ベッドの棚や脇のロッカーもちゃんと開閉できます。映画の途中で、頭ボサボサになった寝起きの先任士官が出てきますが、彼のベッドがたぶんそこなのでしょう。壁には農園で何かを摘んでいる家族の写真が貼ってありました。映画では兵曹長が「俺の部屋だ」と言っているので、4つのベッドのうちどれかが兵曹長のベッドかも。

その次も士官用のベッド。ここは機関長のベッド兼士官食堂なので、映画には頻繁に登場します。しっっっかり、座ってきました。ハエは付いてませんでしたが、デーニッツの写真も飾られています。「おぉ!カール・デーニッツ!!」と思わず口に出したら、ガイドさんビックリ。マズイ、軍事オタクと思われたかもしれない。デーニッツの写真の上には、ラディオーネも置かれていたはずですが、、、ありませんでした。
この反対側のベッドには、士官用の制服が無造作に置かれていましたが、袖に線も入っておらず、果たして
誰のものなのか…。ただ、ボタンは錨マークで、何個か持ち去られていました。(私も…いやいや。いいじゃないか…いやいや…。悪魔のささやきと戦いつつ、次へ)

さて、艦長室。フラッシュなしで撮影すると、いい感じの薄暗さです。というか、艦内は見学者用にライトがついているわけでもなく、撮影時(=実際のUボート艦内)の灯りのままなので、非常に暗いです。艦長のベッドの壁には、両親(仮?)と思われる老夫婦の写真や、帆船の写真が飾ってありました。…寝たいっ。なぜ寝てこなかったんだろう私。
艦長室の斜め向かいには聴音室と電信室がありますが、なぜかそこだけ立ち入り禁止で、鉄格子がはめられていました。トイレは入れるのになぜだろう。

で、やってきました艦の中心、発令所。なんだかオヤジのガレージみたいですが…。ここは、いつも航海長が立っている海図台です。周りを見渡しても何がなんだか分かりません。潜水艦乗りたちはこれらを把握してたかと思うと気が遠くなります。
Uボートは、この発令所の前後の出入り口だけ丸いハッチになってます。映画でもここを通過する時は、ハッチの上部をつかんで足からスルッと滑り込みます。・・・ガイドさんが「やってみろ!いけ!」というので、、、やっちゃいました。スルッと。

そしておなじみの操舵席。
ジブラルタルで潜航開始。赤いランプのもとみんなが集まり、
機関長が「止まれ!止まれ〜」と???あっ!アレがない!肝心のアレが!!!
何かちょっと味気なくなってませんか?
ところで、この艦内ツアーでは終始「ピコーン、ピコーン」というアスディック音と、所々で「ゴボゴボッ」という効果音が鳴り続けています。

発令所の次は、下士官室です。非常に乱雑です。
左右に二列づつ、上下二段でベッドが固定されており、交代制で寝ます。この上段の寝台は、たぶん手すりを外して昇り降りすると思うんですが、外すと下に倒れます。写真の中の右側が手すりをセットした状態。左側がおろした状態。Uボート乗組員4万のうちの下士官兵の2分の1の中の何人かは、これでコブを作ったに違いない。絶対。

次は、厨房長の仕事場です。調理場には鍋やらポットやらの調理器具がたくさん置いてあります。
艦全体にはこうした鍋や、果物、パン、缶詰といった、撮影で使われた小道具が置かれたり、吊るされたりしてますが、すべてヒモなどで固定されていて、持ち帰ることはできません。この鍋類も、調理台に完璧に接着されていました。(いや、邪な考えが浮かんだわけじゃないのですが…。)

そして、機関室。
ウワサによるとこのディーゼル機関、ちゃんと動くようですね。この時はさすがに動かしてくれませんでした…。

機関室の奥は電動機室です。『Uボート』ではほとんど登場しませんが、後部魚雷発射管までちゃんと再現されていました。ディスプレイとして、Becksの木
箱も置いてあります。
というわけで、艦内見学も終了。寒さのせいか、武者震いか、それとも潜水艦(セット)という特異な場所のせいか、ゾクゾクしたひとときでした。